床下地施工の一般的な作業手順


表面凹凸グレードC(最大隙間4.0mm未満),表面不陸グレードB(最大高低差6.0mm未満),表面強度グレードC(傷幅0.55mm未満)を達成するための一般的な作業手順を示す


事前準備

梁,スラブ型枠工事(型枠大工)

・許容支持力を確保し、かつ普通型枠の場合@900mm程度以下で支保工設置

梁,スラブ鉄筋工事(鉄筋工)

・普通型枠の場合@150mm程度で配筋

・デッキプレート型枠の場合、適宜配筋

・打設時にコンクリートがあたったり作業員が踏んだ衝撃で、鉄筋が暴れると凹凸の原因となるため、確実に緊結する

梁,スラブスリーブ工事(電工,設備工)

・設備や電気のスリーブを適宜設置

・コンクリート中に埋め込まれた際、浮力で浮くと凹凸の原因となるため、鉄筋などに適当な間隔で確実に緊結する

・スリーブの出入口は、突き出ているとレベル調整が困難であるため、コンクリートが入らないように栓をしたうえで、レベルよりも低い位置に設置する

レベルマーク,レベルポインタ設置(養生工)

コンクリート天端の目安とする。

コンクリートが偏らずに分配されることは、荒ならしやレベル出しの労力を大幅に減らし、結果として表面凹凸,不陸をなくす

・型枠,鉄筋などにテープやレベルポインタでレベル目印を設置する


コンクリート打ち込み工事

コンクリート圧送(ポンプ工)

・適切な作業速度を確保する

・打ち重ねの時間間隔が長時間になりすぎないよう、打設時のポンプ筒先の移動経路を事前計画する

・なるべくコンクリートを流し延べないですむよう、一ヶ所に山盛りにせず適宜筒先を移動させる

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり200m2/時間(30m3/時間),ポンプオペレータ1人,ポンプ筒先1~3人

荒ならし(土工)

表面凹凸,不陸をなくす

・レベルマークやレベルポインタを目印に、打設されたコンクリートをジョレンなどで直ちにならす

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~3人

締固め(土工)

コンクリートを締め固める、余剰水の排出

・バイブレータはコンクリートに垂直に挿入し、所定の深さまで挿入したら1ヶ所当たり5秒程度動かさずに締め固める

・バイブを斜めに挿入してコンクリートを振動で流し広げたり、鉄筋に当てて振動させない

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり0~4人

タンピング(土工)

コンクリートの沈み,ひび割れ防止

骨材を沈め、ペースト分を表面に多くすることにより、むら直し,金鏝仕上げ時の鏝当たりを良くする(軽量コンクリートの場合、骨材が浮くため特に重要)

・コンクリートの流動性が比較的小さい場合、タンパを用いてコンクリートの表面を叩き、砂利を叩き沈め、ペースト分を表面に多くする

・タンピングを行った場合必ずレベルが変化するため、レベル出し作業を行う前に実施する

・コンクリートの流動性が比較的大きい場合は、タンパで叩かなくても砂利は沈み、かえってコンクリートを過剰に分離させるため、行わない方が良い。トンボを小刻みに縦に揺らすなど、振幅が小さく周期の速い振動をコンクリート表面に与えた方が、表面のペースト分が均質になる

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり0~1人

ならし(土間工)

表面凹凸,不陸をなくす

・レベルマークやレベルポインタを目印に、トンボなどでならす

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~3人 (100m2/人程度),土工0~1人が相番

レベル出し(土間工,墨出工,型枠大工,現場監督)

表面凹凸,不陸をなくす

・レーザレベルなどと当たり棒を用いてコンクリート表面のレベルをチェックし、床面に所定の高さに調整した直径300mm程度の円形のレベルを作る

・レベルを出す位置は、定規ずりに用いる定規やトンボの長さに応じて適切な間隔で設ける

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1人 (ティルティングレベルを使う場合必ず2人1組)

定規ずり(土間工)

表面凹凸,不陸をなくす

・レベルを出した場所をつなぐように定規を渡してその間のレベルを調整し、ラインを作る。次に、2本のレベルラインをつなぐように定規を渡してラインの間のレベルを調整し、帯状にレベル調整面を広げる

・1人が定規ずりをしている側で別のもう1人がコンクリートの余剰分や不足分を調整すると、効率よく作業できる

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~3人 (100m2/人程度)

レベル再チェック(土間工,墨出工,現場監督)

表面凹凸,不陸をなくす

・定規ずり後、再度レベルをチェックし、不適切の場合修正する

再度定規ずり(土間工)

表面凹凸,不陸をなくす

・修正されたレベルに応じて再度定規ずりを実施する

凝結・硬化待ち

表面に静かに乗って足跡が少し残る(深さ6mm程度以上の足跡がつかない)程度まで硬化を待つ

・凝結を待っている間、表面がドライアウトしないように、養生剤散布や噴霧を適宜実施する。ドライアウトは、クラックの原因のほか、むら直しや金鏝仕上げ時にコンクリート表面に十分なペースト分がない場合は作業ができず、表面凹凸,表面強度に影響する。夏期や単位水量の少ないコンクリートでは特に留意する

・ある程度凝結が進行した後にタンパでコンクリート表面を再度叩き占めることにより、余剰水や巻き込みエアによる空隙を潰し、クラック防止につながる。ただし、その場合はレベルが変化し、後のむら直しや押えでは修正不可能なため、凹凸精度は著しく落ちることに注意が必要である

取り合い廻り鏝押え(土間工)

取り合い廻りは、機械ごての使用が困難かつ細かい作業が必要なうえ、凹凸となりやすいため、手作業で丁寧にむら直し,金鏝仕上げを実施する

・取り合い廻りに対して木ごてや金鏝を用いてむら直し,金鏝仕上げを施す

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~2人

むら直し(土間工)

慣らし作業後に残留した表面の細かい凹凸をなくす

凝結を待っている間に発生した微少なひび割れを修復する

ザラザラした鏝でコンクリートの表面に飛び出た骨材を引っかけ埋め込み、ペースト分を表面に多くすることにより、金鏝仕上げ時の鏝当たりを良くする

・木ごてや円板トロウェルを用いて、表面の骨材を埋め込むとともに、細かい凹凸をなくす

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~2人 (80~100m2/人程度)

金鏝押え(土間工)

ツルツルした鏝でコンクリートの表面を平滑にする

ブリージング水で緩んだ表面を圧密しながら押えることにより、表面強度を増進させる。緻密な表面は、ドライアウトを低減させることとなり、水和反応の増進も期待できる

・金鏝や羽トロウェルを用いて、表面を荷重をかけて圧密しながら平滑にする

・こて跡が美観上の問題となる場合は、最後に薄く柔らかい金鏝で圧密せずに整える

一般的な施工条件での目安:ポンプ1台当たり1~2人 (80~100m2/人程度)


コンクリート打ち込み後の措置 (養生については別項参照)

打ち込み後の措置

適切な期間の立ち入り禁止措置や支保工存置により、まだ固まらないコンクリートの表面が荷重で凹むことを防ぐ

散水やシート敷設により、若材齢期の水和反応に必要な水分を供給したりドライアウトを防止する

・立ち入り禁止措置

・支保工存置

・散水養生,シート養生

一般的な施工条件での目安:0~2日間軽作業以外立ち入り禁止


一般的な施工条件での目安に関する留意事項

打設する気候条件,コンクリートの流動性,型枠種類,建物の用途や形状による工事の難易などによっても、適切な作業員数などは大きく変化する

一般的には

○気候条件:春秋と比較して、

・夏はコンクリートの凝結・硬化が速いため作業員数を増加させる必要がある

・冬はコンクリートの凝結・硬化が遅いため作業速度には余裕があるが、作業が深夜にさしかかり、翌日まで職人を拘束する可能性がある

○コンクリートの流動性:一般的なスランプ18cm前後のコンクリートと比較して、

・流動性が小さい場合は、流し延べるのが難しく、均しに多くの作業員数が必要

・流動性が大きい場合は、単位水量を大きくしないよう強い混和剤が大量に使われている場合が多く、凝結,硬化が速くドライアウトしやすいため、むら直し,押えに多くの作業員数が必要

○型枠種類:木製型枠と比較して、

・デッキプレートスラブでは、コンクリート中の余剰水が排出されにくいため、ブリージング水が多かったり、凝結,硬化が遅くなりやすい

・ハーフPCaスラブでは、PCaコンクリートに生コンの水分を吸われたり、打設厚さが小さいため、ドライアウトしやすい

○工事の難易:事務所,学校,病院など一般的な建物と比較して、

・マンションなど形状が複雑な建物では、一人あたりが担当できる面積が小さくなるため、作業員数を増加させる必要がある

・物流倉庫など形状が単純な建物では、一人あたりが担当できる面積が大きくなるため、作業員数を減らすことができる。ただしその場合でも役割分担の観点から最低4名以上必要